遺言
「遺言」は,一般的には「ゆいごん」と言われますが,法律関係者は「いごん」と読むことが多いようです。
(どちらの読み方が正しいというわけではありませんが、日本財団の行っている「ゆいごん川柳」というものがあり、法務省も後援しているので、法務省の見解は実は「ゆいごん」なのかもしれません。)
遺言は,自分が死亡したときに自分の財産をどのように相続・処分させるかについて,遺言者が生前に意思表示をする制度です。
遺言には,
- 「自筆証書遺言(じひつしょうしょいごん)」
- 「公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん)」
- 「秘密証書遺言(ひみつしょうしょいごん)」
などいくつかの方式がありますが,それぞれの方式は法律でその形式が厳格に定められていて,その形式に従わなければ法的効力を生じません。
例えば,
- 自筆証書遺言では,遺言全文・日付・氏名を全て自分で書いて,印鑑を押す必要があります。
日付が欠けている,文章が印刷であるなどの場合は,効力を生じません。 - 文書の形式による遺言しか認められていません。
ビデオなどで録画しても法的な効力は認められません。
しかし,それでは自筆証書遺言を作成するのが大変なので,2019年の改正により目録(不動産や預金の内容を書いたもの)については自書しなくてもよいことになりました。
また,相続人が遺言を見つけられない、遺言を紛失したなどを防ぐため、2020年から法務局で自筆証書遺言を保管する制度も始まりました。
遺言は,遺言者がいつでも取り消す(撤回する)ことができ,何度でも作成することができます。
前の遺言を撤回せずに新しい遺言を作成したときは,その抵触する(矛盾する)部分については,前の遺言を撤回したことになります。