管財事件

「管財事件(かんざいじけん)」とは、破産手続のうち、破産管財人を選任して行う手続のことです。
(破産管財人を選任しない破産手続を「同時廃止」といいます。)

破産手続では、破産者が価値のある財産を有している場合、破産者の財産を換価して、その金銭を債権者に分配するという手続がとられます。
その実際の手続(財産を換価したり、債権者へ配当したり)は、破産者本人や債権者ではなく、裁判所から選任された中立の立場である「破産管財人(はさんかんざいにん)」が行います。

破産管財人となる資格は法律では定められていませんが、破産管財人は、ほぼ例外なく弁護士から選任されます。
どの弁護士を破産管財人に選任するかは裁判所によります。
福岡地裁本庁では、主に弁護士会から提出された破産管財人候補者名簿を参考にして選任されているようです。

管財事件では、破産者は、裁判所へ「予納金(よのうきん)」というお金を納める必要があります。
これは、主に破産管財人の報酬にあてるためです。
破産管財人は、裁判所が選任された弁護士が行うのですが、その報酬を国から支払うわけにもいかないので(もちろん、弁護士に無償でやらせるわけにもいきません)、そのためのお金を破産者本人に用意させるのです。
管財事件の予納金は最低でも20~30万円くらいなので、破産をするにもある程度のお金は必要ということになります。
(同時廃止の場合も予納金は必要ですが、その金額は1~2万円です。)

管財事件には、

  1. 手続の最終段階である債権者への配当まで進む場合
  2. 債権者への配当にまで至らずに手続が終了する場合
    (「異時廃止(いじはいし)」といいます)

があります。

管財事件においては、

  • 破産者の債務の調査
  • 破産者の財産の調査
  • 破産者の財産の換価
  • 破産者の免責事由の調査
  • 換価した財産からの配当

などが行われます。

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