破産
「破産(はさん)」と聞くと,人生が全て終わってしまうような怖いイメージを持つ人が多いかもしれません。
しかし,破産というのは,現在ある財産では現時点での全ての債務を返すことができないので,いまある財産を処分して,その範囲で債務を返すという手続に過ぎません。
(個人の破産では,実際には,「免責」といって,残りの債務を返さなくてよくなる決定を得ることが主な目的ですが。)
処分する財産は「財産的価値のある」財産なので,不動産などは処分する必要がありますが,例えば,車であっても,登録から何年も経った普通の乗用車であれば,処分せずにそのまま持ち続けたりできることもあります。
家具や服などは,処分されることはほとんどなく(高級な宝飾品などは別ですが),生活用品を使えなくなるということはありません。
ドラマなどで破産した場面の描写として,タンスや机などに紙が貼ってあり,処分されてしまうという光景がありますが、あれはフィクションなんです。
処分の対象となる財産は,「破産手続開始決定(はんさてつづきかいしけってい)」の時点の財産なので,その後に働いて得た収入を将来にわたって取られ続けるのではないかと心配する必要はありません。
破産の手続を行えば(不動産などの財産は処分されてしまいますが)、免責を得ることにより、その時点での債務を全て返さなくてよくなります(ただし、税金などの返済義務は残ります)。
したがって、破産は、債務が膨らんだ場合の最も有効な債務整理の方法といえます。