正本
「正本(せいほん)」とは,権限のある者が原本(げんぽん)に基づいて作成する写しで原本と同じ効力を有する文書のことです。
民事事件において,裁判所は,判決書(はんけつがき)の原本に基づいて判決の言渡しを行いますが,当事者(原告や被告)には,原本と同内容で原本と同じ効力がある「正本」を交付します。
つまり,裁判所にあるのが原本(オリジナル)で,当事者には写し(コピー)だけれど原本と同一の効力を持つ正本を渡すということです。
正本には,「これは正本である。」という裁判所書記官による認証がついています。
強制執行を行うには,債務名義の正本が必要になります。
したがって,裁判を提起して判決が出たら,判決の正本を受け取り,その判決正本に基づいて強制執行を申し立てることになります。
また,弁護士などが裁判所へ訴状などの書面を提出するときは,裁判所が保管するための書面を正本,相手方に交付するための書面を副本(ふくほん)として提出します。