数次相続

人が亡くなると、相続が開始します。

相続では、「相続人」が「被相続人(亡くなった人)」の財産を引き継ぎます。
相続人が複数の場合、相続人間でその財産の引き継ぎ方(誰がどの財産を引き継ぐのか)を決める(遺産分割協議をする)ことになりますが、引き継ぎ方が決まらないうちに、その相続人の中のひとりが亡くなった場合、さらに相続が開始します。

このように、最初の相続(「一次相続(いちじそうぞく)」といいます)の処理(遺産分割協議)が終了しないうちに、次の相続(「二次相続(にじそうぞく)」といいます)が開始したという場合を「数次相続(すうじそうぞく)」といいます。

一次相続の遺産分割協議が終わらないうちに、さらに相続が発生すれば、三次相続、四次相続と続いていきます。

数次相続の場合、まず一次相続の遺産分割協議をして、その次に二次相続の遺産分割協議をしてという順番で相続財産の処理をする必要があります。
相続が複数あれば、関係する相続人の数も増えるため(しかも、親族とはいえ、お互い会ったこともないような関係のひとも増える可能性があるので)、遺産分割協議を行うのが困難となりがちです。

これまでは、相続による不動産の登記は義務ではなかったため、不動産に関する遺産分割協議を実際には行わないことも多く、何度も相続が発生しているのに、不動産の登記は曾祖父(あるいは更に上の世代)の名義のままなどの例も多くありました。

しかし、法律の改正により、令和6年(2024年)4月1日から相続登記が義務化されるので、これからは不動産の相続登記をせずに放置するということはできなくなります。
そのため、遺産分割協議を放置したための数次相続は減っていくものと思われます。

ちなみに、相続人である「子」がいたけれど既に亡くなっていて、「子」の『子(被相続人の孫)』が相続人になるという「代襲相続」とは異なるので、混同しないようにしましょう。

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