執行文
「執行文(しっこうぶん)」とは、強制執行を行うために債務名義に付与してもらう、強制執行を許可する文書のことです。
『強制執行は、執行文の付された債務名義の正本に基づいて実施する。』と法律で定められています(民事執行法25条本文)。
強制執行を行うには、債務名義を取得するだけでなく、債務名義に執行文を付与してもらって、「執行力ある債務名義」に基づいて行わなければならないということです。
そこで、申立てをして執行文を付与してもらうのですが、どこ宛てに申立てをして、誰が付与するのかというと・・・
⇒ 執行証書(公正証書)については、その原本を保存する公証人宛てに申立てをして、公証人が付与します。
⇒ 執行証書以外の債務名義については、事件の記録がある裁判所の裁判所書記官宛てに申立てをして、裁判所書記官が付与します。
なお、「債務名義」(または同一の効力を有するもの)のうち、以下については、執行文は不要です。
- 少額訴訟の確定判決
- 仮執行宣言付少額訴訟判決
- 仮執行宣言付支払督促
- 確定した家事審判書
- 養育費や婚姻費用等について定めた家事調停調書