即決和解
「即決和解(そっけつわかい)」とは、民事上の争いのある当事者が、判決を求める訴訟を提起する前に、簡易裁判所に和解の申立てをして、紛争を解決する手続です。
民事訴訟法では、「訴え提起前の和解」と定められていて(民事訴訟法275条)、法律用語としてはそれが正しいことになりますが、法律関係者は、「即決和解」と呼ぶことが多い気がします。
即決和解を使うのは、紛争について当事者間で話し合いがついて、合意できそうなときです。
裁判外で合意して書面を作成するだけでは、債務名義とならないので、合意内容を債務名義とするために即決和解を利用するのです。
合意内容を債務名義とするには、公正証書を作成するという方法もあります。
しかし、公正証書では、債務名義とできるのは一定の金銭の支払い(金銭債務の履行)についてだけです。
したがって、それ以外の請求権(例えば、不動産の明け渡し請求)については、即決和解を使う必要があります。
即決和解を申立てる場合には、通常の裁判と同様に紛争の内容を書いた申立書とともに、合意内容を書いた和解条項案を裁判所へ提出します。
即決和解が成立するには、裁判所がその合意を相当と認める必要があります。
そこで、裁判所は申立書の見て、合意が相当か、修正すべき点がないかを審査します。
問題がなければ、当事者が裁判所へ出頭する期日を決めて、当事者を期日に呼び出します。
期日に当事者双方が出頭したら、裁判所は当事者双方に和解の内容を確認して、晴れて和解が成立となります。