免責

「免責(めんせき)」とは、責任を免れることです。
法律の世界では、免責という用語はよく使われますが、本項では破産における免責について説明します。

破産は、財産を処分して債権者へ平等に配当するための手続ですが、個人が破産をする最も重要な目的は、免責を得ることです。

破産をしても、それだけでは弁済できなった債務(財産を処分・配当しても弁済できなかった債務)を支払う義務は残ります。
しかし、それでは、経済的再生ができなくなります。
(いつまで経っても債務が残っているのでは、働いてお金を稼ぐ気にもなれないですよね。)
そこで、破産の際、裁判所は、破産をしたひとの免責を許可する決定を行うことができます。
免責を受けると、残った債務を返済する義務はなくなります。

ただし、非免責債権は免責されません。
非免責債権には、

  • 租税等の請求権(税金など)
  • 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
  • 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権

などがあります。

裁判所は、法律で決められている「免責を許可してはいけません」という事由(免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう))が無い場合は、免責を許可をすることになっています。

免責不許可事由には、

  • 債権者を害する目的で、破産財団の財産を隠した
  • 破産手続の開始を遅らせる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担した
  • 特定の債権者に対する債権について弁済した
  • 浪費または賭博をしたことによって、過大な債務を負担した
  • 過去7年以内に免責を受けていた

などがあります。

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