カスタマーハラスメント
「カスタマーハラスメント」とは、
「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」
です。
(厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」による)
最近は「カスハラ」とも呼ばれ、広く社会問題として捉えられつつあります。
上記の定義は長くて分かりにくいですが
- 顧客等からのクレームの全てではない
- 内容の妥当性、手段・態様が社会通念上不相当かなどにより判断
- 労働者の就業環境が害されるもの
という点が要点です。
「妥当性」、「社会通念上不相当」というように程度による基準なので、判断に困ることもありますが、まだ新しい概念なので仕方がない部分もあるでしょう。
具体例として、以下のような行為が挙げられます。
- 暴力的な威嚇行為
「役立たず!」、「死ね!」などの暴言、大声でわめき散らす - 脅迫的言動
「名前を憶えたからな!」、「ネットで広めるぞ!」などの脅迫的な言動 - 過剰な謝罪の要求
土下座、長時間の謝罪、自宅等へ来ての謝罪などを要求する - 暴力を振るう
従業員を殴る、突き飛ばすなどの暴力行為を行う - 金銭、物品等の要求
金銭、物品を要求する、代金・料金をタダにすることを要求する
これまでは、お客様の要望に対応するのは当然だ、対応に苦労があっても仕方ないとされてきました。
しかし、「カスハラ」が社会問題となってきたことも踏まえて、各企業でもお客様だから何でも対応するという方向性は見直されつつあります。
また、国、地方自治体でも法令等の改正の流れが進みつつあります。