根抵当権

抵当権と同じく,物権の中の担保物権(たんぽぶっけん)という権利のひとつで,債権者がもっている債権を,より確実に回収するための権利です。

抵当権は「今回貸した1000万円の貸金」などと特定された債権を担保するために設定されますが,
根抵当権は「今後○○のために貸す1000万円までの貸金」など,複数の不特定の債権を担保するために設定されます。
(担保できる債権は、特定の継続的取引契約や一定の種類の取引に限られます。)

具体的には,
A社が,銀行から運転資金300万円の融資を受けて,A社の不動産に抵当権を設定・登記します。
A社は,後日,さらに200万円の融資を銀行から受けました。
すると,A社と銀行は,新たに200万円の抵当権の設定・登記しなければなりません。

さらに後日,A社は100万円の追加融資を受けたい・・・という場合,
A社と銀行は,融資のたびに抵当権を設定・登記をすることになり,とても手間がかかります。

そのような場合,A社の不動産に1000万円を極度額(きょくどがく)とする根抵当権を設定するようにします。
そうすることで,A社と銀行は,1度の根抵当権の設定・登記を行えば、1000万円(極度額)までなら,何度か融資を受けても,その度に登記するなどの手間を省けます。
もし、A社からの支払いが滞ったら,銀行は根抵当権により1000万円までの債権を回収することができます。

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