仮執行宣言
「仮執行宣言(かりしっこうせんげん)」とは、裁判の判決が確定する前に強制執行ができる旨の裁判です。
裁判で判決が出ても、上訴して争うこともできるので、すぐには確定しません。
結論が確定していないのに強制執行できると、間違った結論で執行したということも起こってしまうため、判決は確定しないと執行できないのが原則です。
しかし、それでは強制執行できる時期が非常に遅くなってしまう可能性もあります。
そこで、判決の際、確定前に強制執行をしてもいいですよとすることがあります。
これが「仮執行宣言」です。
判決に仮執行宣言を付けてもらいたい場合は、訴訟提起をする際の訴状に「仮執行宣言を求める」という旨の記載をします。
仮執行宣言を求めることができるのは「財産権上の請求」です。
(「財産権上の請求」とは、お金を支払えという請求のことです。)
仮執行宣言が認められる場合には、判決主文で
「本判決は第1項に限り,仮に執行することができる。」
などの記載がされます。
それによって、仮執行宣言が認められた部分(上記の場合は主文第1項)について、強制執行をすることができます。
仮執行宣言は、確定まで執行できないという原則の例外です。
しかし、実際には、よほどの事情がない限り、原告が求めれば裁判所は仮執行宣言を付けてくれます。