刑の種類

罪刑法定主義の項で説明したとおり、「どの罪を犯したら、どの刑が科せられるか」は法律で決まっていて、科すことができる刑(刑罰)の種類も法律で決まっています。
(刑法9条)

刑には、
・それぞれ独立して科すことができる主刑(しゅけい)
・主刑に付加して科することができる付加刑(ふかけい)
があります。

主刑には、以下の6種類があります。

  1. 死刑(しけい)・・・刑事施設内において、絞首して執行されます。
    ※死刑制度については、以前より存廃の議論があります。
  2. 懲役(ちょうえき)・・・刑務所に拘置して、所定の作業を行わせるという刑の執行です。
    期間は、無期または原則1月以上20年以下の有期です。
  3. 禁錮(きんこ)・・・刑務所に拘置するという刑の執行です。
    期間は、無期または原則1月以上20年以下の有期です。
  4. 罰金(ばっきん)・・・原則1万円以上の金銭を支払わせるという刑の執行です。
  5. 拘留(こうりゅう)・・・刑務所に拘置するという刑の執行です。
    期間は、1日以上30日未満です。
    ※未決(裁判の前)に行われる勾留(こうりゅう)とは別ものなので、注意が必要です。
  6. 科料(かりょう)・・・1000円以上1万円未満の金銭を支払わせるという刑の執行です。
    ※行政罰である過料(かりょう)とは別ものなので、注意が必要です。

上記の主刑は,概ね上から重い順に並んでいます。

懲役と禁固は、2025年6月1日施行の改正刑法により、「拘禁刑(こうきんけい)」というひとつの刑罰に一本化されることになりました。

付加刑は、以下の1種類です。

  • 没収(ぼっしゅう)・・・犯罪行為に関わる物を国が没収するという刑の執行です。

判決で有罪となった場合には、上記の刑のいずれか(または複数)が犯罪の種類によって決められた範囲で科せられます。