訴外
「訴外(そがい)」とは、訴訟の当事者(原告、被告など)以外の者のことを指します。
当事者と混同しないようにするために、「訴外○○は…」という形で使われます。
例えば、準備書面などで
「原告は、訴外Aから本件土地を譲り受けたものであるが・・・」
などと記載します。
登場人物Aについて、単に「A」と書いてもよいのですが、訴訟の当事者ではないことを明確にするため、「訴外A」と表記するのです。
このように「訴外」ということばは分かりやすさのために付けているだけなので、必ず付けないといけないわけではありません。
(付けるか付けないかは好みの問題で、最近は付けられていないことも多い気がします。)
また、「訴外和解(そがいわかい)」という言葉もあります。
これは、読んで字のごとく「裁判(訴訟)外での和解」という意味です。
(上で説明した「訴外」とは別の使い方となります。)
訴訟を提起後、第1回期日まで(または期日と期日の間)に相手方当事者と和解に関する話がまとまった場合、裁判の手続外で和解をして、訴訟を取り下げてしまうという処理をすることがあります。
このように、裁判の手続外で和解することを「訴外和解」というのです。
当事者双方に弁護士が代理人としてついている通常の訴訟では、期日間に和解の話がまとまっても、次の期日で裁判上の和解をすることが多いのですが、当事者の一方に弁護士がついていない場合などは訴外和解をして終了することもあります。
以前は多かった過払金請求の訴訟で特に争いのない事案では、次の期日までの間に、被告(貸金業者)から電話で「訴外での和解をお願いしたいのですが、○○万円ではいかがでしょうか?」と連絡が来て、金額が折り合えば和解書を作成し、和解した金額の支払いがあれば、原告が訴えを取り下げるという処理をすることもよくありました。