第三債務者
債権者が、債務者の財産に強制執行をして債権を回収しようとする場合、
(債権者をX、債務者をYとします)
債務者Yの財産に直接執行を行う場合と、債務者Yが第三者に対して持っている債権に対して行う場合(債権執行)があります。
債務者Yが第三者に対して持っている債権には、
例えば、
・債務者YがA銀行に預けている預金の「払戻請求権」
・債務者Yが商品をBに売ったときの「売買代金請求権」
などがあります。
このとき、債務者Yから見れば、A銀行や買主Bは自らを債権者とする債務者にあたります。
そして、債権者Xが債務者Yに対して債権執行をする場合、上記のA銀行や買主Bなど(債務者Yが有する債権の債務者)を、債権者Xの立場から「第三債務者(だんさんさいむしゃ)」といいます。
第三債務者(A銀行や買主B)は、本来であれば、債務者Yに対して債務を履行すべきですが、
債権が差し押さえられた場合、
債権者Xは、債務者Yのかわりに第三債務者へ債務の履行を請求することができます。
そして、第三債務者であるA銀行や買主Bは、債権者Xに対して債務を履行することにより、債務者Yに対する債務を履行したことになります。
債権が差し押さえられた後で第三債務者が債務者Yに債務を履行しても、債権者Xに対しては、債務を履行したと主張して、債務の履行を免れることはできません。
(債務者Yに支払ったとしても、債権者Xへも二重払いをしなければいけなくなります。)
したがって、裁判所から差押命令が届いたら、その内容をよく読んで(差押命令には、債務者Yに支払ってはいけませんとちゃんと書いてあります)、その指示に従うようにしましょう。