陳述
法律用語としての「陳述(ちんじゅつ)」とは、裁判の当事者や代理人などが、事件について口頭または書面で意見や主張を述べることです。
例えば、民事裁判は、裁判所へ訴状を提出することによって提起しますが、その訴状の内容は、最初の口頭弁論期日において、陳述する必要があります。
陳述すると言っても、実際に書面の内容を読み上げることはほとんどなく、書面を提出した者が「陳述します」と言って、その書面を読み上げたものとして取り扱います。
(例えば、訴状の場合は、裁判官が原告に対して、「訴状を陳述しますね?」と質問して、原告が「陳述します」または「はい」などと言うことによって、訴状が陳述されたことになります。)
弁護士をやっていると、陳述するという手続には慣れるものですが、冷静に見ると変なやり取りですね。
また、当事者や関係者の言い分などをまとめた書面を「陳述書(ちんじゅつしょ)」といいます。
証人尋問などをするとき、事件に関する話を最初から最後まで口頭で質問して答えてとやっていたのでは、とても時間がかかってしまいます。
そこで、通常は、尋問の前に陳述書を提出して、前提となる経緯などはそれに記載しておき、尋問では特に争いのある部分にポイントを絞って尋問するということをします。